冷間成形Wiki
プロセス

前方押出し

前方押出しは、金属がパンチの移動方向と同じ方向に流れる冷間成形工程であり、ボディ径を縮小したり段差部を形成したりする。

前方押出しとは

前方押出し(フォワードエクストルージョン)は、冷間成形における基本的な工程の一つである。パンチがブランクに圧力を加えると、金属はパンチの移動方向と同じ方向(前方)にダイ孔を通って流れる。この流動によりブランクの断面積が減少し、長さが増加する。

Forward Extrusion — Cross-Section

PUNCH DIE die throat d₁ d₂ d₂ < d₁ · length increases · volume conserved
1Punch drives the single blank into the container bore (diameter d₁)
2The blank nose enters the conical die throat — the same material is forced through the smaller orifice
3One continuous piece: thicker section in bore, thinner section exiting at d₂ — no material added or removed

前方押出しは、ボルトのシャンク部成形、軸部の径縮小、テーパー形状の付与など、ファスナー製造において最も頻繁に使用される操作の一つである。

加工のメカニズム

前方押出しの動作原理は以下の通りである。

  1. ブランクをダイキャビティにセットする。
  2. パンチが前進し、ブランクに軸方向の圧縮力を加える。
  3. 金属はダイの絞り部(ランド部)を通り、パンチの進行方向に流れ出る。
  4. 出口側の断面積はダイ孔の形状によって決定される。
  5. パンチが後退し、成形されたブランクは次のステーションへ搬送される。

この工程における重要なパラメータは断面積減少率(リダクション率)である。リダクション率が大きいほど、1回のストロークで大きな形状変化が得られるが、必要な成形力も増大する。過大なリダクション率は材料の割れを引き起こすため、多段式圧造機では複数のステーションにリダクションを分散させることが一般的である。

前方押出しの用途

用途詳細
シャンク成形ボルトの首下部から軸部にかけての径縮小
テーパー付与ドリルスクリューやセルフタッピングネジの先端テーパー
段差部形成異なる径を持つ段付きシャフトやスタッド
ワイヤー細化長尺スタッドや特殊ピンの軸部延伸

前方押出しの優位性

切削加工で同様の形状を得ようとすると、旋削または研削による材料除去が必要となり、切り粉として捨てられる材料が発生する。前方押出しでは:

  • 材料歩留まり: 実質的に100%(スクラップなし)
  • 強度向上: 断面積が減少した部位では加工硬化が進み、引張強度が向上する
  • ファイバーフロー連続性: 結晶粒組織が切断されず、部品の長さ方向に連続して流れる
  • 高速生産: 1ステーション当たり数ミリ秒以内で成形が完了する

多段式圧造機における位置づけ

Manzoni多段式圧造機では、前方押出しは通常、据え込みによる頭部成形に続く中間ステーションで実行される。たとえば六角ボルトの製造では、最初のステーションで据え込みにより頭部素材を形成し、続くステーションで前方押出しによりシャンク径を最終寸法まで縮小する。最終ステーションでは六角頭の型押しと必要に応じた後方押出しによる穴あけが行われる。

このように、前方押出しは多段式圧造機の多段成形工程において、部品の最終形状を決定する重要な役割を担っている。

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